誰にでも分かるシリーズ《遺言1》

遺言とは

 遺言とは、自分の死後のために物事を言い残すこと、またはその言葉のことと広辞苑に載っています。一般的には「ゆいごん」と言われますが、専門家は「いごん」と呼びます。

 

 遺言を生前に作成しておくことで、亡くなった時に各相続人に対してどのように財産を分配するかを決めておくことができます。遺言がない場合は、原則として法律で定められた(法定相続分(ほうていそうぞくぶん))割合で財産を引き継ぐことになりますが、遺言を残しておくことで誰にどのように財産を分けるかを決めておくことができるのです。

 

 遺言には強い法的な効果があります。たとえば遺言に、住んでいる家を一人の相続人に相続させる旨の記載があれば、他の相続人に同意を得ることなく、その相続人は一人でその家を自分のものとする手続き(登記など)をすることができます。 このような遺言の強い法的効果から、法律ではその方式について細かく定めており、その方式に不備があると遺言自体が無効になってしまうので、しっかりとその方式を理解しておくことが重要です。

 

 また、たくさんの相談を受けてきた経験上、この遺産相続の手続きの中で財産を誰が引き継ぐかを争うことで、親子関係や兄弟姉妹関係が破綻するところをたくさん見てきました。被相続人が残した財産のせいで、親子関係や兄弟姉妹関係が一生戻ることがないくらい壊れていくことは本当に悲しいことです。

 

 相続が「争続(そうぞく)」と言われる由縁がこういったところにあります。 このような無用な争いをなくすためにも、遺言をしっかりと残し、具体的にどのような財産を誰にどのように相続させるかを記載すると共に、遺言者の想いを書き残すことが、「争続」にしないためにも重要なのです。

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