誰にでも分かるシリーズ《遺言2》

遺言の方法

 遺言には強い効果があるため、法律に定められている方式にそって作成される必要があり、その方式に不備があると遺言自体が無効になる可能性があります。

 

 一般的な遺言としては3種類の方法があります。

 

自筆証書遺言

公正証書遺言

秘密証書遺言

 

 これらの方法には、それぞれメリットとデメリットがありますので、自分にとってどの方法が合っているかをしっかりと検討する必要があります。 それでは1つずつその方法を見てみましょう。

 

自筆証書遺言とは

 おそらく皆さんがイメージする遺言にもっとも近いものが、この自筆証書遺言になると思われます。誰にもその内容を知られないように、一人で作る遺言がこちらの方法になりますが、個人的に疑問に思うのが、全ての文章と日付、氏名を自筆(手書き)で書かないといけないという部分です。

 

 これだけ様々な書類を、パソコンやワープロなどで作っているのにもかかわらず、自筆証書遺言はすべて自筆(手書き)で書かなければ無効になります。最近の改正で財産目録(財産を一覧にしたもの)などはパソコンで書いたり、通帳のコピーなどでいいことになりましたが(ただし、すべてに氏名を自書(手書き)し押印する)、印鑑自体の必要性も議論されている現状で、このやり方ははっきり言って時代錯誤なやり方なのは否めません。

 

 ただし現状はこの方式に沿って作成しなければ、無効になってしまうので、今はそれに従うしかありません。 この方法のメリットはやはり手軽に費用もかからず、誰にも内容を知られずに作れることです。

 

 逆にデメリットとしては、一人で手軽に作れる分、自筆証書遺言の形式を満たしておらず、蓋を開けてみたら無効だったという可能性があることです。 また、一人で誰にも内容を知られず作成でき、場合によっては遺言を書いたことさえも誰にも知られないため、遺言があることを誰も把握することができず、また分かりにくい場所に保管した場合、その遺言が発見されないという可能性もあるので注意が必要です。

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