誰にでも分かるシリーズ《遺言5》
検認とは
実際に遺言を書いた被相続人が亡くなった場合、どのような手続きをとればよいでしょうか?
相続人が遺品整理をしている最中に遺言書を発見すると、勝手に開けて見てしまいたくなるかもしれませんが、絶対にそれはしてはいけません。
相続人が遺言書を発見した場合、すぐ家庭裁判所に持っていき確認してもらう必要があります。これを「検認」といいます。
これは遺言書の偽造を予防するための制度であり、実際には被相続人の亡くなった場所を管轄する家庭裁判所に相続人全員が呼び出され、相続人立会いの下、遺言書の内容を確認します。そして、「検認済み」というハンコを押された遺言書をもらうことになります。
原則として、遺言書を開封するときには上記の検認の手続きが必要になってきますが、公正証書遺言と自筆証書遺言を法務局に預けている場合に限って、この検認手続きを省略することができます。
ちなみに検認が必要なのにもかかわらず、相続人の1人が遺言書を開封してしまった場合はどうなるのでしょうか?まず遺言書が無効になってしまうのではないかと心配になりますが、遺言書の有効性には影響することはありません。ただし、検認を受けずに遺言書を開封した者には5万円の過料(罰金のようなもの)が科され、さらに遺言書を偽造したり、隠したりした場合は、相続欠格者として相続人の地位を剥奪されることになります。